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お知らせ
こんにちは。病院内の薬局で薬剤師をしている梅津です。今回は、「食」をテーマとしたコラムの担当を任せられました。拙い文章ではありますが、少しの時間お付き合い願えればと思います。
さて、自分の実家は千葉県の船橋市で喫茶店をしています。毎年赤字ながら創業50年を超え、昨今の物価高の中どうにか営業を続けています。親からは継ぐなと言われていますが、一代で潰すわけにもいかないと思い、将来のために「コーヒーソムリエ」の資格を数年前に取得しました。物心つく頃からコーヒーが生活の一部でありましたが、勉強するということは初めてで、極めると無限に奥が深いものであることを知りました。自分に合ったおいしいコーヒーを作るには、まずコーヒーについて学ぶ必要があり、豆の種類や、栽培地域・乾燥方法・ピッキング・焙煎の度合い・抽出器具の選定など極めると無限にあります。その中で、今回は家庭でもよく使われる「ペーパードリップ法」について、簡単に手順を説明したいと思います。
まず、使用する器具ですが「ペーパーフィルター」と「ドリッパー」「サーバー」が必要になります。おいしいコーヒーを抽出するのに重要なことは、ホットでは飲む時まで暖かい状態を維持すること、アイスでは抽出してから短時間で冷やすことが必須です。「ドリッパー」と「サーバー」は陶器かガラス製のものが保温・保冷効果が高いためおすすめです。
次に豆の挽く粗さについてですが、「ペーパードリップ法」適したものは「中細挽き」です。挽くのは抽出する直前が良いです。豆のままですと常温の暗所であれば通常1カ月ほど劣化しないで保管ができますが、挽いた状態では1週間ほどで劣化してしまいます。挽いた豆が余ってしまったら、冷凍しておくと1カ月くらい劣化せず保管ができます。
いよいよ抽出の工程ですが、重要ポイントがいくつかあります。まず一つ目ですが、カップとサーバーはホットであればお湯を入れて温めておくこと、アイスであれば氷を入れて冷やしておくことが重要です。二つ目に豆の量ですが、ホットでは入れる杯数-1、アイスでは入れる杯数と同じ杯数の豆をコーヒー匙ではかります。それをフィルターとひいたドリッパーにいれます。温めたまたは冷やしたサーバーの水を捨てて(アイスの場合溶け残った氷はサーバーに残して水気だけ取ります)その上にドリッパーをセットします。アイスの場合は、サーバーにたくさんの氷を入れておいてください。(抽出後に急速冷却させるため)次に蒸らしの工程に入ります、ここが一番重要な過程です。ドリッパーにお湯を少量ずつ入れていきます。豆が膨らんできてまんべんなくお湯が渡ったら30秒~1分くらい蒸らします。お湯を入れる量の目安はサーバーに少量の抽出液が落ちる程度です。蒸らしが終わったら、豆の中心から外側へ円を描くようにお湯を注いでいきます。フィルターから溢れないよう注ぎ、抽出中に出現する微細な泡はサーバーに落とさないようにしてください。この泡はコーヒーのアクで混ざってしまうとおいしくなくなります。抽出出来たら、温めたもしくは冷えたカップにお湯または水気を取ってサーバーより注ぎます。アイスの場合は、少し濃い目に抽出して、カップを冷やした溶け残った氷は残した状態で、サーバーからカップへ注ぐと良いです。
自分は毎朝コーヒーをこの方法で入れていますが、体調が悪かったり・落ち込んでいたりすると同じコーヒーでもおいしくないものが出来上がります。ですので、もちろん飲むために入れているのですが、「セルフメディケーション」という意味合いでも微細な体の変化を気づくバロメーターの一つとしても活用しています。皆さんも、「セルフメディケーション」始めてみてはいかがですか?
薬局 梅津 太一