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書籍紹介

先生、私はうつ病なんですか? 医師と患者の対話

著者:広瀬徹也、新尾二郎
出版社:日本評論社(2016年)
価格:1800円

新尾二郎氏が「myうつ病」と名付けた、自身の精神的不調を、主治医である広瀬先生とともに理解していく過程がまとめられています。対話形式で物語が進むので、自然と惹き込まれて気付いたら読み終わっています。
途中、薬の話は人によっては難しく感じられるかもしれませんが、読み飛ばしても大丈夫です。

メディアは「○○うつ病」と、とかく新たな造語を作りたがる風潮があり、かえって戸惑ってしまうかもしれません。「逃避型抑うつ」を1977年から提唱していた広瀬先生が、そのあたりに関しても優しく解説をしてくれます。
広瀬先生がご覧になった患者様を拝見してカルテをみると、常に「どうしてこんなに患者さんのことがわかるのだろう?」と思わされます。患者の体験と医師の解釈の狭間を埋め、「myうつ病」の主体的ケアのための羅針盤になってくれることでしょう。

ー土田病院医師 田宗秀隆より



心理社会的プログラムガイドブック

著者:池淵恵美
出版社:医学書院(2024年)
価格:2,750円

このたび、当院で心理社会的プログラムを担当されている池淵恵美先生(帝京大学名誉教授)のご著書を紹介いたします。
帯にある「『何となく』から卒業しよう!」という言葉が、まさに本書を的確に表しています。
第1章は「心理社会的プログラムは何のために必要なのでしょうか?」という問いから始まります。心理社会的プログラムとは、デイケアや病棟、外来などで行われる、運動、料理、心理教育、SST(社会生活スキルトレーニング)などのさまざまな活動を指します。
これらを「課題達成―対人交流」「身体活動―言語」という2つの軸で整理した図が秀逸です。何を目的として、どのような方法で行うのかが見えるようになると、支援する側だけでなく、参加する本人や家族にとっても、その活動が自分に合っているかを考えやすくなるかもしれません。
プログラムの選び方だけでなく、立ち上げや運営、グループの人数、スタッフの心構えからQ&Aまで、かゆいところに手が届く一冊です。同時に、本書は、外(支援者)から見た回復と本人が感じる回復とが、必ずしも同じではないことも教えてくれます。
季節の行事も、<スタッフが飾り付けを完成させるより、参加する人たちが自分の手で作るほうが、喜びを実感しやすい>という指摘には、私自身、よかれと思って空回りした経験を思い出しました。大切なのは、支援者がよいと思うものを一方的に提供することではなく、本人が何を望み、何を楽しいと感じ、何がその人らしい回復につながるのかを一緒に考えることなのでしょう。
池淵先生が一番好きなプログラムは「卒業式」だそうです。本書は支援スタッフのための実践書であると同時に、患者さんやご家族にとっても、自分に合った活動や、自分らしい回復とは何かを考えるきっかけになる一冊だと思います。ぜひお手にとってご一読ください。

ー土田病院医師 田宗秀隆より



桜散る精神科病棟 
8人の女性たち

著者:池淵恵美原案、池淵 恵美, 糸川 昌成
出版社:星和書店  2026年6月1日発売
価格:1,760円

孤独からの出立 
奈々と健吾のリカバリー物語

著者:池淵 恵美
出版社:星和書店 2026年7月28日発売予定
価格:1,760円

こんにちは。土田病院に週2日半のパートで働いている池淵です。
著書を紹介させていただけることになりました。

「桜散る精神科病棟 8人の女性たち」

長年精神医療に携わる中で、多くの患者さんたちが苦労を重ねつつ自分の人生を歩んでいくことを、まだまだ偏見が根強い社会で暮らす人たちに知ってほしいと願っていました。ノンフィクションですと、どうしても守秘義務や個人情報保護の観点から、踏み込んで書いていくことは難しいため、今回はフィクションの形で書いています。フィクションといっても、一つ一つのエピソードは実際にあったことなのですが、それをつなぎ合わせて一人の患者さんにしているところは筆者の創作です。

「孤独からの出立 奈々と健吾のリカバリー物語」

もう1冊は、7月17日発売予定で、前作と同様のフィクションです。
こちらは、それぞれ病状が異なる男性1人と女性1人の回復が語られています。

どちらも専門用語などはなく、分量も多くありませんので、1,2時間で読めてしまいます。
当事者、ご家族、支援者だけでなく、一般の読者にぜひ読んでもらいたいと思っています。